解析例:Aspergillus oryzaeゲノム上でAspergillus flavusに存在しない領域のマップ
配列の相同性が高いことが知られている上記2種のゲノムに関して、A. oryzaeに特異的な領域の解析例です。この図は、8本の染色体を一本に接続して表示したもので、染色体末端が上部の短いグレー縦線、A. oryzaeに特異的な領域が緑のバーで表されます。
解析の方法:
データベース上で公開されている A. oryzae RIB40、および A. flavus NRRL3357 のゲノム塩基配列を用いて、以下の手順によって解析を行いました。
1. A. flavusのゲノム塩基配列を1 kbpの断片に切断し、作製された約37,000本の配列をBLASTNにより、A. oryaeのゲノム塩基配列に対して相同検索を行いました。得られた結果から、alignmentされた領域の位置を取得して、A. oryzaeゲノム上でA. flavusによってマップされる領域を特定しました。
2. 上記1の結果からA. oryzaeゲノム上でマップされない領域を特定し、A. oryzaeゲノム塩基配列のGenBank形式のフィルにfeatureとして追記しました。また、ゲノム全体の一望を容易にするために、8本の染色体を1本の配列として接続しました。
結果の詳細:
上記で作成されたGenBank形式のファイルをIMCに読み込み、約37 Mbpの全領域にわたって表示したものが上図です。図の上部のグレーの短い縦線は各染色体の末端を表します。緑色のバーで表されたマップされない領域(A. oryzaeに特異的な領域)は、染色体末端部分への若干の局在が見られますが、ゲノム全体に分布していることが分かります。
上図のカーソル(下向きの水色の矢印)の位置を拡大したものが下図であり、上図では非表示としていたCDSとカーソル位置の配列情報も表示してあります。
上の図のカーソル(下向きの水色矢印)の位置の拡大図で、緑色のバーがA. royzae特的領域、下側のオレンジ色の矢印がCDSを表します。また、この図のカーソルの位置の配列と開始・終止コドンなどが上側に表示されます。
この図の領域に存在する2ヶ所の非マップ領域(緑色で表示されたA. oryzae特異的領域)のうち、左側はCDSが存在しない領域ですが、右側は1個のCDS全体が非マップであり、A. flavusではこのCDS全体が抜け落ちていると考えられます。
参考価格:20万円(税込)
・ゲノム塩基配列のアノテーションも表示されます(アノテーションは解析に必須ではありません)。
・弊社でgene modeloingを含む自動アノテーションを行うこともできます(追加料金が必要です)。
・上記にはIMCの1ヶ月間 6ヶ月間の使用ライセンス料が含まれます。それ以降については、1ヶ月〜1年の単位の有償ライセンスを更新していただく必要があります。IMCのライセンス料については、製品一覧からご参照ください。
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